2025年4月17日放送の「渋谷でサステナブル」では、春の新生活に絡めて、日常に潜む環境テーマを多角的に取り上げました。番組冒頭では、私が小学生向けの理科実験教材を作成する際にAIを活用した体験を紹介。AIは便利だが万能ではなく、「丸投げ」は禁物とした上で、大学でも利用に関する指針が出ていることに触れました。また、AIの急速な普及が電力需要を押し上げ、CO2排出量の削減ペースに影響を与えている現状も指摘。Microsoft社が購入しているCO2除去技術「BECCS」についても紹介して、AI需要の拡大と環境負荷の増加との関係を解説しました。

 今日の環境テーマは「通勤・通学のエコ化」。東京の通勤ラッシュや渋谷駅の乗降客数を例に、長時間移動が環境や健康に与える影響を紹介しました。これに対して環境省が提唱する「スマートムーブ」の取り組みを紹介し、公共交通や徒歩・自転車の活用、テレワークなどの「賢い移動」がもたらすCO2削減効果や健康促進効果について、具体的な数値とともに説明しました。片道15kmの通勤を自家用車から電車に切り替えることで、1日あたり約3.5kgのCO2削減が可能になるなど、行動のインパクトを可視化し、リスナーの皆さんにも身近なエコ通勤や時差通勤の実践を呼びかけました。

 SDGsテーマは、目標13「気候変動に具体的な対策を」に関連した話題でした。「脱炭素社会へ向けた市民の役割」を中心に、猛暑や大雨、台風の激甚化といった気候変動の影響をデータと共に示しながら、みんさんと危機感を共有。温室効果ガス排出を実質ゼロにする脱炭素社会の実現に向け、日本の「もったいない精神」が果たす役割や、家庭でできる工夫(ピークシフト、冷蔵庫の定位置管理など)を具体例で紹介しました。週1回のテレワークだけでも年間150kgのCO2削減が可能という事実は、結構衝撃的であり、ミキサーも驚いていました。一人ひとりの小さな行動が未来の地球を守る鍵になること、このことを意識して生活したいものです。