2025年4月24日放送の「渋谷でサステナブル」では、新生活やゴールデンウィークを控えた季節感に触れつつ、今年度初の仕事として行った、長崎県南島原市での講演について紹介しました。講演のテーマは「地球温暖化と障害者の生活について」。結構難しいテーマでしたが、温暖化の現象をよく考えてみると、障害者が温暖化の影響を受けやすい「社会的弱者」であるということがわかってきました。この視点から、行政関係者とともに今後の対応策を考える機会となったことが、当日の収穫でした。感染症の増加や熱中症、電気代の上昇など、気候変動がもたらす影響を具体的に説明しながら、インタラクティブな形式で参加型の講演会は、いつも人気であります。

 今日の環境テーマは「家庭菜園から考えるサステナブルな食生活」。日本の食料自給率がカロリーベースで37%と、先進国中最低水準である現状を紹介し、国際情勢や気候変動による輸入リスク、環境負荷、農業の衰退といった問題に触れました。都会に住む人々が「自分で食べる分を少しでも自分で作る」ことから始まる家庭菜園には、心身の安定や環境意識の醸成といった価値があるのは渋谷民※なら実感していることですね。まだ効果を知らない渋谷民のために、ベランダや庭での野菜栽培の具体的な方法も紹介しました。ただ食料自給率向上への貢献度は限定的である一方、地産地消や食育の推進、小規模農家の育成などへの広がりも期待できるので、初心者へのアドバイスとして観察の重要性や遮光ネットの活用、成長記録の工夫などで皆さんの参加を呼びかけました。

 番組後半のSDGsテーマは、目標2「飢餓をゼロに」に焦点を当て、持続可能な農業と食の安全について考察しました。世界には約8億人が飢餓に苦しむ一方で、日本では年間約522万トンの食品が廃棄され、その半分が家庭由来である現状を紹介。平均年齢67歳を超える農業従事者の高齢化も深刻な課題である中、私たちにできる具体的行動として、①食品ロスの削減、②地産地消の実践、③食の多様性の保護を提案しました。冷蔵庫の管理方法や冷凍保存のテクニック、計画的な買い物といった生活に密着した取り組みなども紹介、「日常の小さな工夫が、持続可能な未来を支える」と、やっぱりコツコツ・エコが一番効果があることを伝えました。

 最後には、世界で年間約13億トンの食料が廃棄されているという衝撃的な事実も紹介、ほらみなさん、食べ物とかの話題になると自分事になるでしょ、という締めくくりとなりました。