2025年5月29日放送の「渋谷でサステナブル」では、初夏の気候や学生生活の話題から番組がスタートしました。5月の終わりが近づき、夏休みへの期待感が高まる中、子供だけでなく大人もずっと「学びは一生続く」と思うことをお話ししました。その流れで、今日のテーマである「初夏の省エネと熱中症予防」、そしてSDGsに関連する「健康寿命を伸ばす 地球と体の健康革命」について紹介しました。

 環境テーマは「初夏の省エネ対策と熱中症予防」。省エネ対策は5月中と言われています。真夏にエアコン故障していることがわかっても遅いからなんですよね。この時期にちゃんと試運転することが、実は夏を乗り切る大事なことであることを伝えました。

 夏の家庭エネルギー消費の多くはエアコンによるもので、適切な使い方が重要となるわけです。省エネのために我慢しすぎると熱中症のリスクが高まるから、エアコンと扇風機の併用によって体感温度を下げつつ電力消費を抑える工夫について紹介しました。特に都市部ではヒートアイランド現象が影響し、日本の夏の平均気温は過去100年で1.5度上昇、熱中症による搬送者数はこの20年で30倍以上に増加し、昨年は半年で約9.8万人に達しという報告があります。

 そんな中で私たちができる身近な対策としては、断熱リノベーション、まぁこれはちょっとお高い場合があるのでオプションですけど、ドイツでも行われている文化的風習ともいえる朝の換気や、エアコンフィルターのこまめな掃除そして、エアコンの効率的な運転などを伝え、日常の小さな配慮が地球にも自分にもやさしい選択になることを訴えました。

 SDGsのテーマは目標3「すべての人に健康と福祉を」に関連した「健康寿命を伸ばす 地球と体の健康革命」でした。ここで紹介した「エコヘルス」という概念は、人間の健康と地球環境が一体であるという考え方に基づいています。世界の病気の23%が環境要因に起因しており、特に大気汚染や気候変動は直接的な健康被害をもたらしています。近年では「ワンヘルス(人・動物・環境の一体性)」という視点が国際的に広まり、緑地の多い地域では平均寿命が約5年長く、大気の質が改善すれば年間1万人の早期死亡が防げるといった研究結果を紹介しました。食生活ではプラントベース(植物性)食品、都市づくりでは歩きやすい「ウォーカブルシティ」、自然と共生する「バイオフィリックデザイン」なども、エコヘルスの観点から注目されています。

 私たち一人ひとりが、日々の暮らしで環境を意識した選択をすることで、地球の健康と自分自身の健康を同時に守ることができるというメッセージで番組を締めくくりました。