2025年5月8日放送の「渋谷でサステナブル」では、ゴールデンウィーク直後の余韻を残しつつ、地域と環境のつながりを深める内容となりました。

 連休中に参加した佐世保でのイベントを振り返り、米海軍基地の子どもたちに日本の文化や環境意識を伝えた「佐世保エキスポ」や、毎年、保育士・幼稚園の先生方が施行を凝らした創作遊びが魅力的だった「わんぱくひろば」でのエピソードを紹介。特に今回、私たちのブースで新規に用意した、親子で楽しめる環境クイズゲーム「エコぼっちゃリッシュ」が人気だったことが、GW中で一番嬉しかったことでした。

 環境テーマは「都市の緑化と生物多様性の関係」。都市の緑化は景観だけでなく、昆虫や鳥など多様な生き物の居場所を提供し、都市生態系の豊かさを支える重要な場所です。1990年代の都市部では、ヒートアイランド現象や在来種の減少が顕在化し、1995年に生物多様性国家戦略が策定されました。これを受けて屋上緑化や壁面緑化が普及し、2001年からは東京都で一定規模以上の建築物に緑化義務が課されました。渋谷区はその先駆け的存在であり、都市公園の管理によって自然と同等の生物多様性が得られるという研究結果を紹介しました。そんな中で私たちができる身近な取り組みとしては、ベランダでの在来種栽培や地域特産の「渋谷ルッコラ」の活用、公園での自然観察などを紹介、都市に住む私たちにもできることがあることを皆さんに伝えました。

 後半のSDGsテーマは、目標14「海の豊かさを守ろう」に焦点を当て、持続可能な水産資源の利用について掘り下げました。1980〜90年代に乱獲が深刻化し、日本でもマイワシの漁獲量が激減。これに対し、1997年に持続可能な漁業を認証するMSC制度が創設され、日本では2006年から導入が進んでいます。現在では漁獲量設定に科学的根拠を重視し、認証漁業も増加中なのはうれしいことです。

 もちろん私たち消費者ができることもあります。①MSCやASCなどの認証ラベル付きの魚を選ぶ、②旬の魚を選ぶ、③あまり知られていない魚(雑魚)も食べることで、特定魚種への依存を避けることができるので、水産資源も有効に活用でき持続可能な魚ライフを進めることができます。最後に、1990年代から日本人一人あたりの魚介類消費量が約3割減少しているという事実も伝え、私たちの食のあり方が海の未来を左右するんだ、というメッセージで締めくくりました。

 自分事って難しいんだけれど、こうやって日常のシーンと突き合わせることで、だんだんと皆さんだけでなく私自身も、音を立てて自分事化していくのがわかるようになってきました。